相続手続 いつまでに何を

2014-09-01

相続の手続は期限が決められているものが多く、わかりづらいものです。私も最近、父親を亡くし、
相続を経験したのですが、日ごろ、お客様から相続について相談を受ける立場であっても、いざ当事
者になるととまどうことが多く、あらかじめ相続手続を整理しておくことの重要性を痛感しています。
そこで今回のコラムでは相続の大きなスケジュールをまとめてみたいと思います。
(もう少し細かい話しは、またの機会に書きたいと思います)

相続が発生するとまず行われるのは、通夜や葬儀ですが、これらが終わって一段落すると具体的な
法律上の手続きや判断をともなう事柄が発生してきます。
近親者の死亡にともない様々な手順が民法や相続税法などに定められており、中には期限内に手続
を行わないと悪意がなくても不利益を被る手続きもあります。

そこで、最低限これらの期限を把握し、全体の流れを知っておくことが、相続という大きな問題を
スムーズに解決して行くうえで重要になります。
以下、いくつかかのポイントを整理していきます。

1、相続放棄・限定承認………3カ月以内
相続人が被相続人の財産及び債務について一切の財産を受け入れないことを「相続放棄」と言います。
例えば、被相続人の借金(負の財産)が資産(正の財産)よりも多い場合に「相続放棄」をすることに
よって負担を免れることができます。この意思表示は相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所
に申述することが必要になります。

一方、被相続人の財産をすべてを無条件に承継することを「単純承認」といい、正の財産の範囲内で
負の財産を承継することを「限定承認」といいます。この「限定承認」は、相続開始を知った日から3
ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。

2、所得税準確定申告………4カ月以内
不動産所得や事業所得などの所得税の確定申告が必要な人は通常、翌年3月15日までに前年分の所得
の確定申告を行いますが、個人が死亡した場合には、その年の1月1日から死亡の日までの期間の所得
を相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に確定申告(準確定申告)をしなければなりません。
この申告は相続人全員が納税者となり、被相続人の所得申告を行う義務があります。

3、相続税の申告・納付………10カ月以内
被相続人の遺産に対して相続税がかかる場合には、相続開始を知った日から10ヶ月以内に相続人全員
が相続税の申告・納税をしなければなりません。
相続税は相続人1人1人が実際に取得した財産に対して相続税が算出されるため、申告期限(10ヶ月)
までに遺産分割協議が相続人間で整っていることが前提になります。
相続税を現金納付する場合には10ヶ月以内に納税しなければなりませんが、その他の納税方法の延納
や物納も申告期限(10ヶ月)までに申請書を提出し許可を受けなければなりません。

4、遺留分の減殺請求………1年以内
民法では、法定相続人が相続することができる最低限の相続分(=遺留分)が保証されています。
万一、遺言によって遺留分未満の財産しかもらえなかったときには、遺留分を侵した相手に対して1
年以内に「遺留分の減殺(げんさい)請求」を行うことで、これを取り戻すことができます。

遺留分の割合は通常の場合は被相続人の財産の1/2 、相続人が直系尊属のみの場合は被相続人の財産
の1/3 となり、兄弟姉妹には遺留分はありません。

5、相続税特例適用の分割期限等………3年10ヶ月以内
相続税の軽減特例である「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地の評価減」の適用は、遺産分割協議
が整っていることが適用要件となり、申告期限(10ヶ月)までに協議が整っていない場合には、そ
の時点での適用ができません。その後、3年以内に協議が整えば、特例を適用した税額に訂正するこ
とができます。

また、相続財産を譲渡した場合の所得税の譲渡の特例(取得費加算)が受けられるのは、その譲渡
が相続税の申告期限から3年以内に行われたときだけとなりますので注意が必要です。

以上のように手続期限を整理してみると税務関係の手続が多いことに気づきます。
それだけ税金を取ることを国として重視しているということだと思います。

相続税に対しては生前対策が重要になります。上記の期限を意識しつつ、生前に相続について対策を
考えておくようにしたいところです。

当法人では相続に詳しい税理士の無料相談も実施しておりますのでお気軽にお問合せください。

(センター員 城山)

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