社長の相続(2)

2015-11-12

今回は、社長の相続でよくあるお話を具体的に見てみましょう。

A会社では、社長と息子、娘が取締役の会社です。株主は、社長が51%、社長の兄弟姉妹5人が49%を保有しています。

社長が亡くなり、60%の株式が社長の奥さんと、息子、娘、社長の先妻の娘2人が相続されることとなりました。

遺産分割協議が整えば、株主は確定しますがそれまでは株式は共有状態になります。

A会社では、社長が不在になり銀行口座が凍結され、貸金庫が開けないなど、様々な問題が生じました。

取締役であった息子は、社長の代行として臨時株主総会を招集しました。

息子は自身が新社長となるつもりでいました。しかし、社長の兄は自らが社長になりたいと、いい出し、49%の株式を有している兄弟姉妹は、それを支持しました。先妻の子も、兄弟姉妹方を支持しています。

この状態で株主総会を開くと、どうなるでしょう。兄弟姉妹は、過半数を有していないので決議することができません。

問題は、相続株なのですが、これは前回説明した通り、過半数で権利行使者を選任して議決権行使を行使しなければなりません。

もし、権利行使者の選任ができていない場合は、そもそも株主として権利を行使できる株主が相続人にはいないこととなります。

そうすると、そもそも過半数が参加できないため株主総会そのものの開催が無効となってしまうことになります(招集通知も欠いている状態)。

このケースでは、奥さんとその子で共有株式の過半数を保有しているため、奥さんまたはその子が権利行使者となり、議決権行使することになります。

そうすると、社長分の51%の株式については奥さん側が権利行使できることになるため、奥さんが納得してくれれば、社長の息子が跡を告げることとなります。

社長の兄弟側としては、先妻の子の議決権を頼りにしていたと思いますが、あくまで相続した株式は「共有」(正しくは「準共有」)財産であるため、法定相続分に対応する議決権を有するわけではなかったので思惑が外れてしまったということになります。

(センター員 松村)

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